本書を手に取られた読者はお気づきのように、本書の帯には「東京大学文学部史上初の講義を書籍化!」と書かれている。本書は、著者の平芳裕子が、二〇二三年夏学期に東京大学文学部・大学院人文社会系研究科で行った集中講義の書籍化であり、評者は東京大学美学芸術学研 ...
バブル崩壊後から二〇〇〇年代前半に学校を卒業した就職氷河期世代の経済的不遇についてはすでに広く知られている。(1)は、同世代の動向を、その前後世代と比較しつつ大規模データに基づいて多角的に明らかにする。事実、氷河期世代とくに後期世代は雇用が不安定で低 ...
トランプは選挙戦で「移民はペットを食べる」「米国民の血を汚す」といった差別発言で恐怖をあおり、支持を広げた。米国の歴代大統領はバラク・オバマを除きすべて白人だが、トランプほど白人の人種的憎悪を公然と喚起し、権力に変えた人物は異例だ。そうした意味を込め ...
異例の学術書『VTuber学』には、研究者やライター、現役VTuberらが、歴史、哲学、ビジネスなど多種多様な観点からVTuberにアプローチした論考とインタビューが収録されています。研究することで、何が見えてくるのでしょうか。
核となるのは、日本の柴崎友香を含めた5人の作家によるパネルディスカッションだ。米国のブライアン・ワシントンは『海辺のカフカ』から記憶やケアについての問いを受け取り、チェコのアンナ・ツィマは『アフターダーク』のファンタジーに夢中になった。台湾の呉明益( ...
1956年、東京生まれ。79年にイギリスに渡り、82年にイギリスで絵本作家としてデビュー。デビュー作『Angry ...
高齢者を読者とする“老い本”の刊行が盛んだ。健康面や経済面の不安に向き合う書。終活や相続の指南書。そして昭和の流行作家や評論家等が、八十代、九十代になって自身の老いライフを書いたエッセーも、次々にヒットしている。
デビュー作の青春もので今年の本屋大賞受賞というスタートをきった宮島未奈さん。新刊小説「婚活マエストロ」(文芸春秋)は大人の青春を描いて、読み心地さわやかだ。
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日曜昼の風景になっている「のど自慢」。番組の冒頭は「あの鐘」の音からはじまる。アマチュアたちの歌が披露され、残念でも合格でも、あの鐘が鳴る。そう、「のど自慢」にとってあの鐘「チューブラーベル」の音は象徴でもある。そしてあの鐘を、20 ...
異世界転生という想像力が現代の時代精神の一側面を象徴していることについて、異論を差し挟む余地はもはやないが、『コード・ブッダ』『一億年のテレスコープ』『マン・カインド』といった近刊SFもまた、それぞれ別様の仕方で「転生」のテーマを変 ...